【no.167】九電がAIスピーカー開発

九電がAIスピーカー開発

九州電力が、ニュースなどを読み上げるほか、防犯サービスや節電のアドバイスといった機能を備えた人工知能(AI)搭載のスピーカー「QUUN」を開発し、30日販売を始めた。新規事業を強化する一環だが、電力小売り全面自由化など本業の電力事業での競争が激しくなる中、生活に密着したサービスを提供し、顧客との接点を増やす狙いもある。

利用者は人気声優など7種類から好みの声を設定でき、スピーカーに話し掛けると合成音声で受け答えするほか、天気予報や占いなどを読み上げる。設定時間に声掛けするアラーム機能もある。

防犯に特化したAIスピーカーというのは新ジャンルですね。
今後の開発が気になります。

次回の更新も楽しみにして頂けますと幸いです!

 

 

【no.166】隅田川花火大会、警視庁がAIを利用した新技術

隅田川花火大会、警視庁がAIを利用した新技術

東京の隅田川花火大会で、警視庁はAI=人工知能を利用したテロ対策の新たな技術を試験的に導入しました。
隅田川花火大会は台風の影響で29日に延期され、2万発の花火が夏の夜空を彩りました。87万人が埋め尽くした会場で、警視庁は2年後の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、テロ対策の新たな技術を試験的に導入しました。
最新のカメラで人が集まる場所を撮影し、AI=人工知能に学習させて人の流れを予測するシステムで、将来的には流れに逆らって動く不審者や放置されたままの不審物の発見につながるよう開発を進めていくということです。

試験的な導入によってどんな課題、成果があったのか気になるとかですが、既にもうこんな大規模なイベントにも導入され始めているのですね。

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【no.165】これが解決されればビジネスが変わる。最新AI研究トレンド7選

これが解決されればビジネスが変わる。最新AI研究トレンド7選

未来予測として定評のある米Future Today Instituteが出した2018 Tech Trends Reportは、AIビジネスに関する話題が中心になっているのだが、その中でAIの技術的なトレンドにも言及している。僕自身、技術的なことはあまり分からないので、株式会社エクサウィザーズの執行役員で、理化学研究所 革新知能統合研究センター (AIP) 客員研究員でもある遠藤太一郎さんに詳しく教えてもらうことにした。

説明可能なAI

ーーAIって中身がブラックボックスなので、活用できないビジネス領域がある、という話を耳にしたことがあります。具体的にはどういうことですか?

遠藤 例えば、ローンの審査にAIを使うべきかどうか、という問題があります。担当者である人間が判断するのなら、お金を貸せないと判断した場合、なぜ貸せないのかを顧客に説明できます。お金を借りるほうの顧客も、貸してもらえないのなら、なぜ貸してもらえないかを聞いてみたいですよね。

ーーそれはそうですね。

遠藤 でも今のAIにローンの可否を判断してもらうと、可否の判断はできるんだけど、人間が途中の計算式を見ても、なぜAIがその判断を下したのかがまったく分からないんです。

ーーなるほど。例えば画像認識のディープラーニングの途中の隠れ層と呼ばれる部分のデータを見ても、なぜコンピューターがそういう計算をしているのか人間にはまったく理解できないですものね。でもその画像が何なのか、最終的には正解を弾き出してくるので、まあいいか、ってなる。画像認識ならそれでよくても、ローンの可否なら判断理由を知りたいですよね。

遠藤 なので、説明可能なAIって、今もっともホットな研究領域になってるわけです。世界的な人工知能の学会Neural Information Processing Systems (NIPS)などでも話題になってますね。

ーーどの程度、判断基準を説明できるようになってきているのですか?

遠藤 いや、まだまだって感じです。ただ幾つかおもしろい手法が出て来ています。例えばLIMEと呼ばれる手法などでは、複雑なモデルを線形モデルで説明することができます。線形モデルにすれば、どの項目が効いてAIが答えを出したのか、直感的に理解が可能になります。こうした手法の精度が上がれば、これまでAIの導入に二の足を踏んでいた企業などが、一挙に導入に踏み切る可能性がありますね。

ーーなるほど、さらにAIの普及に拍車がかかるわけですね。

 

他にも、データ改ざん問題、リアルタイム学習など、AIの発展を考えるうえでのテーマが出てきます。 今後の焦点になっていくものかも知れませんのでぜひチェックしてみてください。

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【no.164】Google、AIで文法をチェックするGrammar Suggestionsを発表

Google、AIで文法をチェックするGrammar Suggestionsを発表

GoogleがG Suite向けの新機能として、Google Docsで文法のミスをチェック・修正できるGrammar Suggestions in Google Docsを発表しました。G Suiteのアーリーアダプタプログラムで提供開始されています。

単語の間違いを見つけるスペルチェックは一般的ですが、Grammar Suggestionsは機械学習AIを利用して文法のミスを発見し、修正案を提示します。前置詞 a と an の違いのような単純なものから、従属節の近い方を含む複雑なものまで対応可能。今後、時間の経過とともに、より精度が向上していくとのことです。

Grammarly が提供している文法チェック機能に近いですが、Google純正かつ得意の機械学習を使っているだけに、精度にも期待が持てそうです。

また、GoogleはGmail上で文章を入力すると、AIがその続きの文章を予測し入力候補を表示するSmart Comporseを5月に一般ユーザー向けに提供しました。これもG Suiteユーザー向けに間もなく提供開始するとのこと。

このほか、ハングアウトチャットでのスマートリプライ(返信候補が表示され、ワンクリックで返信できる機能)もG Suiteユーザー向けに導入されます。

いずれも英語のみでしか利用できませんが、文章を書くことをAIが肩代わりしてくれるようになれば、人は内容を考えることに集中できるようになるかもしれません。

文法の誤りについて気にする必要がなくなってくると、入力がより楽になりますね。

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【no.163】ローソンがAIとタッグ、あなたのダイエット生活を“プロデュース”

ローソンがAIとタッグ、あなたのダイエット生活を“プロデュース” 

ローソンがダイエット用アプリユーザーの食生活に合わせた商品を提案するサービスを開始。個々人の食事内容をAIが分析する仕組みで特にロカボ(低糖質)の商品を打ち出す。

ローソンは7月24日、スマートフォン(スマホ)のアプリを通じてユーザーそれぞれの食生活に合ったメニューや商品を提案するサービスを開始した。ユーザーがアプリを使ってこれから食べる料理を撮影するとメニュー内容や食材、分量をAI(人工知能)が分析。食事のカロリーや糖質を気にしている人向けに、次の食事に適したメニューをローソンの店舗で販売されている商品を組み合わせて提示する。

食と健康に関するWebサービスを手掛けるリンクアンドコミュニケーション(東京都新宿区)のダイエット用アプリ「カロリーママ」上で展開する。「毎日ヘルシー!ローソン健康キャンペーン!」と題し、カロリーの収支を管理するコースと1日の食事のうち1食がロカボ(低糖質)になるようにするコースの2種類を提供する。

アプリ上でローソンのキャンペーンのバナーをクリックすると利用できる。ダイエット目的やバランスの良い食生活を心掛けたい人、糖質制限を実践したい人にアピールする。アプリは無料。リンクアンドコミュニケーションも同アプリで小売りと連携するのは初。

例えばユーザーが朝食を食べる前にアプリでその写真を撮ると、AIが料理の内容を自動で分析。カロリー量に加えて「鉄分が少ないので次は肉や魚をおかずにしては」などと、昼食で摂るべき食事をカロリーママがアドバイスする。さらにローソンのキャンペーンを利用した場合は、アプリが分析結果を踏まえて実際に店舗で売られているおすすめの商品を組み合わせ、写真付きでメニュー提案する。

特に同社がこのサービスでアピールしたいのが糖質を抑えたロカボの商品群だ。1食あたりの糖質量を4.4グラムに抑えたパン「ブランパン」などを提案する。糖質制限のダイエット人気を背景に、食生活にロカボを取り入れたい人に売り込む。

 

カロリー計算や栄養計算には入力、選択というインプットの手間がありましたが、撮影するだけ、というのが良いですね。

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【no.162】仏Snipsが仕掛ける新AIアシスタントはブロックチェーンと人工知能で”脱中央化”

仏Snipsが仕掛ける新AIアシスタントはブロックチェーンと人工知能で”脱中央化”

仏AIスタートアップ・Snipsが、家電製品を統合管理するAIアシスタントにブロックチェーンを組み合わせたアシスタントデバイス「Snips AIR」の開発に成功。2019年末には、韓国などアジア市場に向けてサービス提供開始する予定だと発表した。

Snips AIRは、個人情報保護に重点を置いて設計されたAIデバイスだ。アマゾン・ゴーやグーグル・ホームなど、データを中央および集中管理するAIアシスタント、AIスピーカーとは差別化された製品である。ローカルデバイスに暗号化されたデータを保存・処理し、クラウドには一切送信しない。

Snips AIRには、照明、室温、窓をコントールするホームオートメーションアプリ(Home Automation App)だけでなく、マルチメディアデバイスやキッチン家電を制御するアプリ、天候やスケジュールを知らせるアプリなど、最も利用頻度の高いアプリケーションが組み込まれる予定となっている。

Snipsは、ユーザーとアプリ開発者のためのマーケットプラットフォームも公開する予定。アプリ開発者は自由にSnips AIRで稼働するアプリケーションを開発することができ、開発したアプリを「Snips App Store」にて公開できる。なおマーケットプラットフォーム内では、トークンを使った取引システムが運営される計画となっている。

Snipsは現在、デバイスメーカーに対して人工知能技術や音声認識技術を提供しており、ホワイトラベル製品として商品化すべくOEM事業を推進している。

SnipsのCEO・Rand Hindi氏は「Snipsは、音声データが流通するエコシステム全体に生情報を分散・処理する脱中央方式を採用した(中略)これにより、ユーザーの個人情報を徹底的に保護するだけでなく、アプリ開発者が中央に検閲される心配なしに、Snipsのエコシステム内で得られた財貨価値を自由に扱えるようにした」と説明している。

AIアシスタントおよびAIスピーカーには、メーカーやサービス事業者によって、音声データや生活情報・習慣などを知らぬ間に収集・把握されてしまうという懸念が強く残っていた。Snips AIRは、それら課題を解決するデバイスとなるか。開発の進捗に注目が集まる。

データを中央集権的に管理するのではなく分散して持たせるという事ですね。新しい概念のデバイスの登場が楽しみです。

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【no.161】AIであなたの動きを誰かが真似る、その仕組み

AIであなたの動きを誰かが真似る、その仕組み

GoogleさんはディープラーニングなどのAI研究にとても力を入れていて、その成果はGoogle検索はもちろん、マップや翻訳、スマートスピーカーなど、あらゆるサービスに反映されています。

研究成果の多くはオープンソース化されていて、普通の人向けにも「こんな面白いことができるようになるよ」と紹介するための「AI Experiments」というWebサイトも公開しています。

最近の例として、7月19日(現地時間)にこのWebサイトに追加された「Move Mirror」があります。動きを映す鏡。

Webサイトに行って、PCのカメラで自分の全身を映し、GIF動画として録画すると、そのポーズに似たポーズをしている人の画像が横に並ぶというものです。

普通のPC(カメラ付き)とWebブラウザがあれば、誰でも遊べます(アプリによるカメラへのアクセスを許可しておく必要があります)。古いPCだと時間がかかるかもしれませんが、私のPC(Core i7、Intel HD Graphics 620、メモリは16GB)ではほぼリアルタイムでした。

これまでは、AI Experimentsで遊ぶと、Googleさんの機会学習用データとして提供することになるものが多かった(例えばお絵描きの「AutoDraw」)ですが、Move Mirrorはなんと、すべてPCのWebブラウザ側で解析するので自分が変な格好で踊っているGIFを研究者さんに提供することにはなりません。

やり方は簡単です。なるべく背景がごちゃごちゃしていないところで、自分の全身が映るようにPCのカメラの位置を調節し、録画ボタンをクリック(タップ)します。5秒のカウントダウン中に撮影ポイントに移動し、適当に動き、もういいかな、というところで録画を終了するだけ。これで、左に自分のGIF動画、右にその動きに似たポーズの画像が動きに合わせてパラパラ漫画のように表示されます。

録画したGIFはダウンロードできて、シェアも可能。私は恥ずかしいのでシェアしませんが、ヨガの立木のポーズやら変なダンスやらをしてみたところ、老若男女、ぼんやりしたモノクロから高解像度のカラー画像まで、さまざまな似たポーズが表示されました。

Move Mirrorの画期的なところは、全部PC側でできるという点。これは、Googleさんが開発した、人間のポーズ(姿勢)を推定する機械学習モデル「PoseNet」の「TensorFlow.js」版(5月に公開されたばかり)のおかげです。TensorFlow.jsは、GoogleさんのディープラーニングシステムTensorFlowをJavaScriptで実行するという、しろうとな私にはそのすごさがよく分からないですが多分すごい技術です。

Move Mirrorでは、このPoseNetのTensorFlow.js版をGoogleがお得意の検索と組み合わせたわけです。大まかに言うと、GoogleがMove Mirrorのために集めた8万件の動画(すべて権利関係が大丈夫なもの)のポーズをあらかじめ解析してベクターデータにしたものと、ユーザーが録画したGIF画像から同じようにベクターデータにしたものをマッチングさせています。

データベースとして持っている情報と組み合わせてうまくAIを活用しているわけですね。メカニズムがわかるとより面白いです。
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【no.160】ソフトバンクもタクシー配車事業に参入。中国の巨大交通プラットフォームと提携し、AI利用

  1. ソフトバンクもタクシー配車事業に参入。中国の巨大交通プラットフォームと提携し、AI利用

ソフトバンクは世界最大級の交通プラットフォームを手掛ける中国の大手ライドシェア企業、滴滴出行(Didi Chuxing、以後「DiDi」)とタッグを組み、次世代のタクシー配車サービスを目的とした、「DiDiモビリティジャパン株式会社」の設立を発表しました。

主に中国で活躍するDiDiの持つ人工知能(AI)とデータ分析技術をスマート配車システムの需要予測に活用。すべてのタクシー事業者が利用できるオープンなタクシープラットフォームとして、2018年の秋から順次、大阪、京都、福岡、沖縄、東京やその他の主要都市でトライアルとしてタクシー事業者へ無償で提供開始するとのこと。

利用者側のメリットは?
利用者側としてのメリットは、やはり需要予測が利いているため、タクシー手配がさらにクイックになるといった恩恵がありそうです。また、アプリからの配車となるので、スマホ世代なら気軽にタクシーを呼べるのもメリットでしょう。

なにより、タクシー事業者へオープンなプラットフォームとして提供されるっていうなら、ゆくゆくは交通の便が悪い地方でも使えるように?といった期待感もあります。現在もアプリで配車できるサービスってありますけど、どっちかと言うと首都圏中心。地方でも手軽に呼べる移動手段として、タクシーっていう選択肢が増えるといいですね!

ちなみに、中国などで合計5.5億人が登録するDiDiの乗客用アプリが、日本でもそのまま利用できるとのことなので、中国からの観光客にもメリット大ですよ。ドライバー向けのアプリでは、日本語と中国語の自動翻訳機能もあるんだとか。翻訳こんにゃく!

続々と交通サービスに進出するAI技術
タクシー配車と言うと、先日もソニーがAIを使ったタクシー配車サービス事業を立ち上げたり、Uberもまた配車サービスの実証実験を行っているといったのも記憶に新しい話題です。しかし、まさかソフトバンクまで加わるとは…三つ巴感も否めませんが、それだけ交通の利便性向上への期待感が高まっているということでしょう。

そして、やはり今後の車業界はAIが深く関係してくるようですね。どのサービスが主流になるのか? それとも、それぞれが選べて併用されるのかは、未来にならないとわからないけど、現時点で僕がひとつ言えることは…

こんな暑い日にゃ、タクシー呼んで涼しい車内で快適に移動したい。

です。AIやビッグデータを上手く活用して、タクシー拾いたい時にすぐ拾えて、呼びたい場所にすぐ呼べるようになるといいですね。
次回の更新も楽しみにして頂けますと幸いです!

【no.159】AIで生損保の不正請求を検知するShift Technologyの「Force」

AIで生損保の不正請求を検知するShift Technologyの「Force」

AI(人工知能)で我々の生活は劇変する。そう感じさせるのが、2014年にフランス・パリで設立されたスタートアップのShift Technologyである。同社は損害保険・生命保険などの保険金詐欺検出にAIを利用したソリューション「Force(フォース)」を中心にグローバルで展開してきた。2016年9月にはシンガポール、2017年1月には香港に進出し、2018年2月には日本で法人登録をしている。2017年11月には約2800万ドル(約30億円)の資金を調達し、現在の株主資本は約4000万ドル(約44億円)。

グローバルで50社以上の保険会社と契約し、東京都が2017年11月に開催したアクセラレータープログラム「フィンテックビジネスキャンプ東京」では、Shift Technologyが最終的に選ばれた8社のうちの1社となり、都内進出第1号となったことも記憶に新しい。2018年4月には、MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険と、あいおいニッセイ同和損害保険との提携を発表し、両社はForceを用いた保険金業務高度化を図ることを表明した。

スタートアップが数年で高額な資金調達や、国内大手保険会社との提携を実現したのは、アクセラレータープログラムの受賞が大きいとShift Technology Japanは語る。「先のプログラムには各保険会社が助言者として名を連ね、ファイナリストになったことで一定の信頼を得た。もう1つは日本法人を設立し、国内でのビジネスを可能にしたことが信頼を勝ち取ったと考える」(Shift Technology COO APAC, Peter Haslebacher氏)。

では、Forceとはどのような仕組みだろうか。Shift Technology Japanの説明によれば、損害保険会社・生命保険会社から受け取った過去3~5年分の保険金請求データを分析し、学習モデルのマッピングを最初に行う。もちろん受け取ったデータは誤記や欠落のあるケースも少なくないため、クリーニング処理が必要だ。その上で保険金請求内容の不正判断理由を契約企業ごとに作成する“シナリオ”作成プロセスに移るが、ここまでの手順で4カ月を要する。その結果、不正な請求を発見すると、不正率を示すスコアとその理由を文章で提示するアラートを対応部署に送信する仕組みだ。「本格運用後はデータを日々受け取るため、そこに機械学習を活用して、さらなる正確性の向上を実現する」(Haslebacher氏)。保険会社側から見れば、Force導入における初期投資の回収がポイントとなるが、同社は「弊社の顧客は12カ月以内に初期投資を回収し、導入メリットをすぐに得られる」(Haslebacher氏)とアピールした。

例えば10件の保険金支払い案件があるとしよう。単独ではそれぞれ正常な保険金請求に見えるが、個々の情報をつなげていくとそれまで見えなかった図が見えてくるという。実際に起きたケースでは、被害を受けた運転手と整備工場の電話番号が同じで、調査したところ被害者と整備工場が家族関係にあったそうだ。身内や関係者に事故を起こさせ、整備工場は自身の収益増を謀ったという。これがわかったため、保険会社は無駄な保険金支払いを免れることができた。「異なる請求者なのに同じ携帯電話番号、同じ住所といったケースが重なると、そこに不正請求の可能性が出てくる」(Haslebacher氏)という。

だが、不正が同じ損害保険会社に対してであれば不正検知は可能であっても、詐欺を働こうとする輩が複数の保険会社を利用した場合は対応不可能だ。そこでShift Technologyは業界団体との契約を積極的に進めており、フランスやイギリス、シンガポール、香港といった市場では各業界団体と契約している。残念ながら日本での取り組みは始まっておらず、規制当局との交渉はこれからとなるが、犯罪抑止の観点からも関係各者の尽力を期待したい。

分析に利用するデータは損害保険会社・生命保険会社の保険金請求データ以外にも、ウェブのデータや過去に不正請求を行ったブラックリスト情報、企業情報など多岐にわたる。「弊社は合法的に入手可能なデータは広く扱う。先のケースで言えば整備工場が本当に存在するのか判断するために企業情報を用いる」(Haslebacher氏)そうだ。その1例として示したのがフランスで実際にあったケースだ。「BMWが中古市場で半年も売れずにウェブに掲載されていたが、そのデータがウェブから消えた2日後には火災発生による支払い請求が発生した。調査した結果、中古車販売業者は『売れなかったので燃やした』と説明」(Haslebacher氏)し、詐欺被害を免れることができたという。これまでベテランのスタッフが対応していた部分をForceに置き換えることで、更なる調査への注力やリソースを他の業務に振り分けるなど、保険会社にとっては社内資源の有効活用が可能になるだろう。

ForceはMicrosoft Azure上のSaaSとして稼働し、クラウドサービスとして顧客企業に提供される。数あるクラウドサービスプロバイダーの中からMicrosoftを選んだ理由についてShift Technologyは、「我々は業界最強レベルのセキュリティを必要としているが、Azureは条件を満たしている。また、グローバル展開を可能にしている点も大きい」(Haslebacher氏)と語る。保険業務では顧客データを国外に持ち出せないケースが多いものの、世界140カ国から利用できる52リージョン(2018年6月現在)が決め手だという。なお、インドネシアのようにリージョンがない国では、Microsoft Azure Stackを設置し、プライベートクラウドサービスを実現している。

最後に日本市場について尋ねたところ、「グローバルに見た不正な保険金請求の割合は5%から10%といわれているが、日本は1%以下のレベルと考えられている。だが、日本の保険市場は大きい。各保険会社もここ1年で意識が変わり、『正しく精査できていないのでは』と考えるようになったところもある。他方で各保険会社もデジタルトランスフォーメーションを推進しており、保険金支払いの短縮化・効率化が求められている。そのためには正しく検知することが不可欠だ。日本は世界第2位の保険市場だが、顧客反応や契約状況を鑑みると、弊社にとっては第1位になる可能性もある。もしかしたら(本社がある)フランスよりもだ」(Shift Technology Japan, Business Development Director, 木須靖昭氏)と述べた。

大量のデータを扱える点から、検知という分野での人工知能の活用が盛んですね。

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【no.158】AIが物流を救う。GROUNDがAI物流ソフトウェアの実証実験に

AIが物流を救う。GROUNDがAI物流ソフトウェアの実証実験に

GROUND株式会社(本社:東京都江東区/代表:宮田 啓友)とトラスコ中山株式会社(本社:東京都港区/代表:中山 哲也)は、AI物流ソフトウェア『Dynamic Allocation System(ダイナミック アロケーション システム)』通称『DyAS®(ディアス)』による実証実験をおこなう。
GROUND株式会社は、物流分野において最先端のテクノロジーの知見やネットワークを有する企業である。物流オペレーションをより簡略化することに長けた同社の、AIを用いた物流ソフトウェアの実態とは一体どのようなものなのだろうか。

DyAS®は、在庫・人材の配置を最適化するための4つのモジュールと、それらを可視化するツールの2本柱で構成されており、各地の物流施設のデータをDyAS®が吸い上げ、一元管理を可能とするシステムだ。

これにより、必要な在庫・人材の配置を知ることができ、適切な配置を迅速におこなうことで、消費者への即日配達を可能とするのである。

パートナーとなるトラスコ中山とは

工場用副資材プロツールの卸売業と自社ブランドの企画開発をメインとしている企業だ。モノづくりの現場への丁寧かつ迅速な配達を心掛けており、全国22か所の物流施設に約34万種類もの在庫を保管している。

GROUNDと共同実証するDyAS®は、トラスコ中山の持つ膨大な物流施設のデータを吸い上げるようになっている。

ECと物流の切っても切れない関係

EC取引が活発になるにつれ、物流業界もシステムの見直しを余儀なくされている。

自宅でワンクリックで購入できるのがECの仕組み。購入の時間がそれだけ削減できるようになったのだから、実際に現物が届くスピードにもこだわりたい。しかし現状の物流システムでは限界がある。それ故に宅配クライシスといった言葉などが散見されるようになっている。

今回の実験は物流業界の現状を救う結果になるのだろうか。市場への参入が待ち遠しいサービスだ。

ピッキングや入荷作業、適正在庫などを分析してくれるようですね。具体的にどんなサービスなのか気になるところです。
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